設備異常の発見から解決までの情報共有と決裁が格段に早くなりました
道後hakuroについて教えてください
旧ホテル椿館の別館の耐震建替えプロジェクトとして、「道後hakuro」が生まれました。
道後hakuroは、比較的若い世代のカジュアルな観光旅行ニーズ(主に休日・休暇期間)と平日の市内ビジネス需要に訴求するコンセプトでつくられました。
「今までにない温泉ホテル」として、機能性・快適性に加えて、暮らすように泊まる親しみやすさや、デザイン面で強い個性を持つホテル、更にお客様ひとりひとりの多様性を尊重し、自由な旅の拠点として気軽に使っていただけるホテルを目指しています。
「道後hakuro」という館名は 、道後温泉発祥の伝説の一つである白鷺伝説から取られており、白鷺を「hakuro」と音読みすることによって「道後らしさ」と「新しさ」を同時に、直感的 に 伝わるようにと考えられたものです。
外構デザインのコンセプトは「緑に囲まれたガーデンパーキング」。
坂の上のシンボリックな立地に緑溢れる丘の風景と「大きく広がる空が見える丘」の景色を再生して、道後のまちの景観づくりに寄与 するとともに、「地域に開かれたホテル」のイメージを敷地全体で表現しています。
最大の特徴は 各階客室のカーテン 。これは、赤(炎)、黄(大地)、緑(自然)、青(空)という各階のテーマカラーをベース にトーンの 異なる ものを ランダムに 配して 外観に彩りを与え る とともに、 「お客さま一人ひとりの部屋、一人ひとりに異なる旅」 「多様性にひらかれたホテル」 というメッセージを視覚的に伝えるものです。
宝荘グループ(道後御湯 / 道後hakuro / ホテル椿館) 代表取締役 宮﨑 光彦 様
道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
道後hakuro 設備責任者 近藤 傑 様
道後hakuroのこだわりを教えてください
道後hakuroのこだわりは大きく5つあります。
1つ目が「建物/設備」のこだわりです。
外観に関しては先程紹介した通りですが、ロビー・ラウンジにおいても天井の高さや意匠(仕上げ)で空間を柔らかく仕切りつつ、屋外と空間的・視覚的につながる開放的な設えで、外観同様に「ポップ・インダストリアル」を基調にしたアーティストのアトリエのような共用空間は、敢えて高さや形・色を統一していない家具や大きな 観葉植物 、建築と一体化したアート作品などを設え、お客さまにワクワクしていただけるようなデザイン上の工夫を随所に凝らしています。
設備面ではロビーに多めの電源 コンセントや無料Wi-Fi、フリードリンクサーバー(コーヒー、ココア等)のほかスクリーンや簡易な音響システムなどを備え、ラウンジでドリンクを飲みながら 休憩やお仕事をされるお客さまのニーズにはもちろん、オフサイトミーティングや小規模なイベント などにも活用いただけます。
また、ロビーはもとより全室にLPレコードプレイヤーを設置し、客室には各1枚、ロビーラウンジやフロントには多様なジャンルの300枚を超えるLP盤を揃え貴重な音源を楽しめます。
先にお話ししたとおり、道後hakuroは比較的若い世代のカジュアルな観光旅行ニーズ(主に休日・休暇期間)と平日の市内ビジネス需要に訴求するコンセプトでつくられました。
その狙い通り、休日やGWなどの休暇期間では若年層の女性(20代~40代)のご利用が多いです。
一方で、意外だったのは50代のご夫婦での観光目的でのご宿泊も多くなっています。
平日は、松山市内などで仕事があるビジネスマンの方の利用が6割ほど。
残りの4割は観光目的の女子旅や一人旅、カップルでのご利用になります。
女性のお客様は非常に有難く、InstagramやTikTokなどSNSで発信くださる為、マーケティング効果が大きいです。女性のお客様は一人旅として単独でもいらっしゃいますし、女性同士、カップルとしてもいらっしゃいます。
来られるエリアとしては様々で、全国からお越しいただけます。東京からは3割ほどになります。
繁忙期は、8月と11月と3月です。
8月は、夏のファミリー旅行としてマイカーで数多くのお客様にお越しいただけます。関東方面から車で来られる方もいらっしゃいます。
11月は、秋の行楽シーズンで団体のお客様の利用が6割ほど、4割がビジネスでのご利用が増えてきます。
3月になると、冬を越えて少し暖かくなってくることから、観光客のお客様が増え、更に年度末での社内団体旅行なども増えてきます。
どういったお客様がご宿泊されますか?
運営で苦労されている点は?
ホテル運営は苦労の連続です。
まず、ホテルが新しく建て替わってオープンというタイミングがまさに「コロナ禍」でした。
オープンしたにも関わらず、お客様が来ない状況が続きました。その間、スタッフの教育を中心に、耐え忍ぶ時間が続きました。
その後、GoToトラベルが始まり、複雑なオペレーションに現場が大変でしたが、何とか稼働が80%ほどに立ち上がりました。
オープンから3~4年ほど経つと、次にやってきた課題は「人材」でした。
ある程度オペレーションが固まり、落ち着いてくると、オープンスタッフも隣の芝も見る余裕がでてきて、その青さに惹かれて辞めてしまうスタッフも出てきました。求人によって補充を繰り返しながら、回しているという苦労があります。
求人に関しても、最近では有料媒体は使わず、TikTokなどを使ってSNSマーケティングで求人活動も行っています。
東京などの遠方から移住してもらい、入社しているパターンもあります。
その為、ホテルの情報や知見など毎回新しい人材に共有する必要があります。設備管理の内容も同様です。
道後hakuro
取締役支配人 宮野 弘 様
昭和46年、内子町生まれ。
平成4年、防予汽船㈱に入社。
平成10年、防予汽船㈱より㈱ホテル椿館へ出向。平成23年、営業支配人 兼 営業企画本部長に就任。平成30年、愛媛県観光物産 優良従業員表彰。令和2年、道後hakuroへ異動、取締役支配人に就任。
今回インタビューさせて頂いた方
HoteKanを採用いただいた背景は?
今回、HoteKanを使うきっかけとなったのは、「TRY ANGLE EHIME」です。
「TRY ANGLE EHIME」とは愛媛県で2022年度から始まった「デジタル実装」のプロジェクトにて、「デジタル企業の成長」「地域事業者の稼ぐ力の向上」「愛媛県(地域)の発展」の3つの観点からデジタル・ソリューションと関連技術を県内事業者・自治体に実装し、地域課題の解決にチャレンジする内容になります。
TRY ANGLE EHIME: https://dx-ehime.jp/
このプロジェクトに、HoteKanと愛媛県の実装パートナーとして宝荘・椿館グループが2023年度選ばれました。宝荘・椿館グループの「道後御湯」「道後hakuro」「ホテル椿館」の3施設でHoteKanを実装し、更に新たな機能の開発・実装、修繕(インシデント)データのBIMへの連携などデジタル実装の加速を行っております。
始めは現場の設備責任者も含めて、戸惑いを隠せませんでしたが、現地で導入支援をしてもらうことでスタッフも使い方が分かり、今では日常のオペレーションとして機能しております。
道後hakuroでは3施設の中でいち早く日常の運用に取り込むことができ、会長、支配人、設備責任長、建築士が共有できるプラットフォームとして活用できています。
HoteKanによる効果はありますか?
1つ目は、「社内での知見の見える化」ができるようになりました。
今までは、設備異常などの報告はだいたい口頭で受け、データを自分でExcelにまとめて管理していました。
そのため、今、何がどうなっているのかは自分にしかわからない状態だったので、どうにか改善したいとは思っていました。
現状は、スタッフから従来通りのやり方で報告を受け、設備責任者が確認してアプリに入力するという形で業務を進めています。
そのうち現場で働く末端社員まで全員が「HoteKan」を使いこなせるようになれば、もっと効果が上がるだろうと考えています。
設備管理に関してはもちろん使い勝手がいいのですが、個人的には、マニュアルや操作方法などを画像や動画で共有できる機能も便利だと思っています。今までは何となく残っている記憶を引っ張り出して対処していたところが、データで残って正確に全員に伝わるのです。
2つ目は、設備異常の発見から解決までの時間が「格段に早くなった」ことです。
これまで、設備の異常を発見した場合、修繕業者に電話連絡した後、業者から対応方法の回答待ち、その後、対応方法が分かれば、支配人に連絡して、社長や会長に連絡を取り、決裁の承認を得て、支配人から設備責任者へのGoサインがでるといった形の繰り返しの伝言ゲームが行われていました。
それが、HoteKanに入力すれば、支配人、社長、会長、担当の建築士に一気に情報が共有される為、修繕完了までの時間が圧倒的に早くなりました。
実際に、会長がHoteKan内で見積書を確認して、すぐにOKを出してくれて修繕が早くなった事例もあります。
3つ目は、スマホ一つで全て確認できるため、「圧倒的なペーパーレス化」が実現したことです。
HoteKanを使い始めて、一番の良さは過去のインシデント事例がすぐにわかることです。
どの業者がどのように直したかなど、紙書類を探さなくても、スマホ1つで確認することができるのは楽です。圧倒的にペーパーレスが進みます。
また、キーワードや設備種類でインシデント検索できるので、直ぐに該当の内容を見つけることができます。
今後の進め方として、
①修繕業者ともHoteKanを通じて連絡を取る
②清掃・フロントスタッフもHoteKanで入力
を考えています。
そうすれば、今よりも異常の発見にすぐに気づく事ができ、業者さんとの連絡も早くなり、修繕期間が圧倒的に短くなると想定しています。
実際にHoteKanをどのように使われていますか?
現在は、従来通りに清掃スタッフから連絡を受けた設備責任者がHoteKanにインシデントデータを入力し、支配人、社長、建築士とHoteKan上でやり取りをしています。
施設によっては、外部業者も参加してやり取りをしています。
設備責任者はスマホを使って報告・入力をし、支配人は主に事務所のPCもしくはスマホで確認しています。
【HoteKan設備】
11:00~
お客様がチェックアウトされた後、清掃スタッフが客室に入り、客室内の設備異常を発見したら、設備責任者に連絡をする。設備責任者が現地を確認し、写真を撮影。また、施設周辺の設備の不具合を発見した場合は、設備責任者が直ぐにHoteKanにインシデントを入力。チャットで支配人とやり取りする。
11:30~
通知を受けた支配人、社長、建築士がHoteKanで確認。決裁が必要な内容は支配人や社長がHoteKan内で連絡。
対応方法が複雑な場合は担当の建築士が解決策について提案。修繕完了すれば、アフター画像を設備責任者が撮影し、修繕完了。
2つ目が「朝食」のこだわりです。
ビュッフェスタイルの朝食は、焼きたてパンとスープを中心に、一般的な温泉ホテルの朝食とは一味違う内容。
できたてのフレンチトーストを配って回るサービスも行っております。出来合いのものは使わず、全て手作りです。地域の食材を使 った 季節感と彩りの豊かな朝食で、一日をスタートするお客さまが元気に出発できるようお腹も心も満たしていただけます。
3つ目が「温泉」です。
明度を抑えた暗いトンネル状の通路を通って暖簾をくぐると、広々とした内湯と露天風呂が「日本最古の湯」である道後温泉のお湯をたたえてお客さまをお待ちしています。洗い場は男女各8箇所を備え、この規模のホテルとしては十分な広さを持つ大浴場。女子脱衣所には通常の洗面台(4つ)の他にパウダーコーナー(3人分)も備え、女性のお客さまのニーズに細やかに配慮したつくりとなっています。
デザイン面では、眼前 に広がる庭の風景と、日本古来の着色料である藍・弁柄をもちいた左官の壁、そしてその上に描かれた松山出身の墨絵アーティスト・茂本ヒデキチ氏の 迫力ある壁画 (男子は加藤嘉明公・女子は白鷺の化身をイメージした女性像がメインモチーフ)が 一体となって「小さくてもここにしかないhakuroだけの温泉大浴場」を演出し 、「最古にして最新」を謳う道後温泉の新しいホテルにふさわしい 温泉体験空間となっています。
4つ目が「平面駐車場」です。
松山市内のビジネスホテルは平面駐車場を併設しているホテルは少なく、道後hakuroでは800坪の敷地内に43台の平面駐車場の他、徒歩1分の隣接地にも40台分を確保しており、お車やバイクでお越しのお客様に最適です。
そして、最後5つ目が「ただいまと帰ってこれるようなアットホームな雰囲気」です。
道後hakuroで一番重視しているのは、フロントスタッフの「笑顔」です。フロントでは笑顔を忘れないように、またお客様と話す機会や回数をできるかぎり増やせるように伝えています。カジュアル、フレンドリーなお客様との関係性を重視しています。その効果か、おかげさまでリピート頂けるお客様も増えてきております。
クチコミも楽天トラベルで「4.68」、じゃらんで「4.7」の高評価をいただいております。
道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
設備異常の発見から解決までの情報共有と決裁が格段に早くなりました
道後hakuroについて教えてください
旧ホテル椿館の別館の耐震建替えプロジェクトとして、「道後hakuro」が生まれました。
道後hakuroは、比較的若い世代のカジュアルな観光旅行ニーズ(主に休日・休暇期間)と平日の市内ビジネス需要に訴求するコンセプトでつくられました。
「今までにない温泉ホテル」として、機能性・快適性に加えて、暮らすように泊まる親しみやすさや、デザイン面で強い個性を持つホテル、更にお客様ひとりひとりの多様性を尊重し、自由な旅の拠点として気軽に使っていただけるホテルを目指しています。
「道後hakuro」という館名は 、道後温泉発祥の伝説の一つである白鷺伝説から取られており、白鷺を「hakuro」と音読みすることによって「道後らしさ」と「新しさ」を同時に、直感的 に 伝わるようにと考えられたものです。
外構デザインのコンセプトは「緑に囲まれたガーデンパーキング」。
坂の上のシンボリックな立地に緑溢れる丘の風景と「大きく広がる空が見える丘」の景色を再生して、道後のまちの景観づくりに寄与 するとともに、「地域に開かれたホテル」のイメージを敷地全体で表現しています。
最大の特徴は 各階客室のカーテン 。これは、赤(炎)、黄(大地)、緑(自然)、青(空)という各階のテーマカラーをベース にトーンの 異なる ものを ランダムに 配して 外観に彩りを与え る とともに、 「お客さま一人ひとりの部屋、一人ひとりに異なる旅」 「多様性にひらかれたホテル」 というメッセージを視覚的に伝えるものです。
宝荘グループ(道後御湯 / 道後hakuro / ホテル椿館) 代表取締役 宮﨑 光彦 様
道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
道後hakuro 設備責任者 近藤 傑 様
道後hakuroのこだわりを教えてください
2つ目が「朝食」のこだわりです。
ビュッフェスタイルの朝食は、焼きたてパンとスープを中心に、一般的な温泉ホテルの朝食とは一味違う内容。
できたてのフレンチトーストを配って回るサービスも行っております。出来合いのものは使わず、全て手作りです。地域の食材を使 った 季節感と彩りの豊かな朝食で、一日をスタートするお客さまが元気に出発できるようお腹も心も満たしていただけます。
3つ目が「温泉」です。
明度を抑えた暗いトンネル状の通路を通って暖簾をくぐると、広々とした内湯と露天風呂が「日本最古の湯」である道後温泉のお湯をたたえてお客さまをお待ちしています。洗い場は男女各8箇所を備え、この規模のホテルとしては十分な広さを持つ大浴場。女子脱衣所には通常の洗面台(4つ)の他にパウダーコーナー(3人分)も備え、女性のお客さまのニーズに細やかに配慮したつくりとなっています。
デザイン面では、眼前 に広がる庭の風景と、日本古来の着色料である藍・弁柄をもちいた左官の壁、そしてその上に描かれた松山出身の墨絵アーティスト・茂本ヒデキチ氏の 迫力ある壁画 (男子は加藤嘉明公・女子は白鷺の化身をイメージした女性像がメインモチーフ)が 一体となって「小さくてもここにしかないhakuroだけの温泉大浴場」を演出し 、「最古にして最新」を謳う道後温泉の新しいホテルにふさわしい 温泉体験空間となっています。
道後hakuroのこだわりは大きく5つあります。
1つ目が「建物/設備」のこだわりです。
外観に関しては先程紹介した通りですが、ロビー・ラウンジにおいても天井の高さや意匠(仕上げ)で空間を柔らかく仕切りつつ、屋外と空間的・視覚的につながる開放的な設えで、外観同様に「ポップ・インダストリアル」を基調にしたアーティストのアトリエのような共用空間は、敢えて高さや形・色を統一していない家具や大きな 観葉植物 、建築と一体化したアート作品などを設え、お客さまにワクワクしていただけるようなデザイン上の工夫を随所に凝らしています。
設備面ではロビーに多めの電源 コンセントや無料Wi-Fi、フリードリンクサーバー(コーヒー、ココア等)のほかスクリーンや簡易な音響システムなどを備え、ラウンジでドリンクを飲みながら 休憩やお仕事をされるお客さまのニーズにはもちろん、オフサイトミーティングや小規模なイベント などにも活用いただけます。
また、ロビーはもとより全室にLPレコードプレイヤーを設置し、客室には各1枚、ロビーラウンジやフロントには多様なジャンルの300枚を超えるLP盤を揃え貴重な音源を楽しめます。
先にお話ししたとおり、道後hakuroは比較的若い世代のカジュアルな観光旅行ニーズ(主に休日・休暇期間)と平日の市内ビジネス需要に訴求するコンセプトでつくられました。
その狙い通り、休日やGWなどの休暇期間では若年層の女性(20代~40代)のご利用が多いです。
一方で、意外だったのは50代のご夫婦での観光目的でのご宿泊も多くなっています。
平日は、松山市内などで仕事があるビジネスマンの方の利用が6割ほど。
残りの4割は観光目的の女子旅や一人旅、カップルでのご利用になります。
女性のお客様は非常に有難く、InstagramやTikTokなどSNSで発信くださる為、マーケティング効果が大きいです。女性のお客様は一人旅として単独でもいらっしゃいますし、女性同士、カップルとしてもいらっしゃいます。
来られるエリアとしては様々で、全国からお越しいただけます。東京からは3割ほどになります。
繁忙期は、8月と11月と3月です。
8月は、夏のファミリー旅行としてマイカーで数多くのお客様にお越しいただけます。関東方面から車で来られる方もいらっしゃいます。
11月は、秋の行楽シーズンで団体のお客様の利用が6割ほど、4割がビジネスでのご利用が増えてきます。
3月になると、冬を越えて少し暖かくなってくることから、観光客のお客様が増え、更に年度末での社内団体旅行なども増えてきます。
ホテル運営は苦労の連続です。
まず、ホテルが新しく建て替わってオープンというタイミングがまさに「コロナ禍」でした。
オープンしたにも関わらず、お客様が来ない状況が続きました。その間、スタッフの教育を中心に、耐え忍ぶ時間が続きました。
その後、GoToトラベルが始まり、複雑なオペレーションに現場が大変でしたが、何とか稼働が80%ほどに立ち上がりました。
オープンから3~4年ほど経つと、次にやってきた課題は「人材」でした。
ある程度オペレーションが固まり、落ち着いてくると、オープンスタッフも隣の芝も見る余裕がでてきて、その青さに惹かれて辞めてしまうスタッフも出てきました。求人によって補充を繰り返しながら、回しているという苦労があります。
求人に関しても、最近では有料媒体は使わず、TikTokなどを使ってSNSマーケティングで求人活動も行っています。
東京などの遠方から移住してもらい、入社しているパターンもあります。
その為、ホテルの情報や知見など毎回新しい人材に共有する必要があります。設備管理の内容も同様です。
【HoteKan設備】
11:00~
お客様がチェックアウトされた後、清掃スタッフが客室に入り、客室内の設備異常を発見したら、設備責任者に連絡をする。設備責任者が現地を確認し、写真を撮影。また、施設周辺の設備の不具合を発見した場合は、設備責任者が直ぐにHoteKanにインシデントを入力。チャットで支配人とやり取りする。
11:30~
通知を受けた支配人、社長、建築士がHoteKanで確認。決裁が必要な内容は支配人や社長がHoteKan内で連絡。
対応方法が複雑な場合は担当の建築士が解決策について提案。修繕完了すれば、アフター画像を設備責任者が撮影し、修繕完了。
(写真左)道後hakuro 設備責任者 近藤 傑 様
道後hakuro
取締役支配人 宮野 弘 様
昭和46年、内子町生まれ。平成4年、防予汽船㈱に入社。
平成10年、防予汽船㈱より㈱ホテル椿館へ出向。平成23年、営業支配人 兼 営業企画本部長に就任。平成30年、愛媛県観光物産 優良従業員表彰。令和2年、道後hakuroへ異動、取締役支配人に就任。
どういったお客様がご宿泊されますか?
運営で苦労されている点は?
HoteKanを採用いただいた背景は?
今回、HoteKanを使うきっかけとなったのは、「TRY ANGLE EHIME」です。
「TRY ANGLE EHIME」とは愛媛県で2022年度から始まった「デジタル実装」のプロジェクトにて、「デジタル企業の成長」「地域事業者の稼ぐ力の向上」「愛媛県(地域)の発展」の3つの観点からデジタル・ソリューションと関連技術を県内事業者・自治体に実装し、地域課題の解決にチャレンジする内容になります。
TRY ANGLE EHIME: https://dx-ehime.jp/
このプロジェクトに、HoteKanと愛媛県の実装パートナーとして宝荘・椿館グループが2023年度選ばれました。宝荘・椿館グループの「道後御湯」「道後hakuro」「ホテル椿館」の3施設でHoteKanを実装し、更に新たな機能の開発・実装、修繕(インシデント)データのBIMへの連携などデジタル実装の加速を行っております。
始めは現場の設備責任者も含めて、戸惑いを隠せませんでしたが、現地で導入支援をしてもらうことでスタッフも使い方が分かり、今では日常のオペレーションとして機能しております。
道後hakuroでは3施設の中でいち早く日常の運用に取り込むことができ、会長、支配人、設備責任長、建築士が共有できるプラットフォームとして活用できています。
本プロジェクトの紹介: https://note.com/tryangle_ehime/n/n902d21e51bad
HoteKanによる効果はありますか?
1つ目は、「社内での知見の見える化」ができるようになりました。
今までは、設備異常などの報告はだいたい口頭で受け、データを自分でExcelにまとめて管理していました。
そのため、今、何がどうなっているのかは自分にしかわからない状態だったので、どうにか改善したいとは思っていました。
現状は、スタッフから従来通りのやり方で報告を受け、設備責任者が確認してアプリに入力するという形で業務を進めています。
そのうち現場で働く末端社員まで全員が「HoteKan」を使いこなせるようになれば、もっと効果が上がるだろうと考えています。
設備管理に関してはもちろん使い勝手がいいのですが、個人的には、マニュアルや操作方法などを画像や動画で共有できる機能も便利だと思っています。今までは何となく残っている記憶を引っ張り出して対処していたところが、データで残って正確に全員に伝わるのです。
2つ目は、設備異常の発見から解決までの時間が「格段に早くなった」ことです。
これまで、設備の異常を発見した場合、修繕業者に電話連絡した後、業者から対応方法の回答待ち、その後、対応方法が分かれば、支配人に連絡して、社長や会長に連絡を取り、決裁の承認を得て、支配人から設備責任者へのGoサインがでるといった形の繰り返しの伝言ゲームが行われていました。
それが、HoteKanに入力すれば、支配人、社長、会長、担当の建築士に一気に情報が共有される為、修繕完了までの時間が圧倒的に早くなりました。
実際に、会長がHoteKan内で見積書を確認して、すぐにOKを出してくれて修繕が早くなった事例もあります。
3つ目は、スマホ一つで全て確認できるため、「圧倒的なペーパーレス化」が実現したことです。
HoteKanを使い始めて、一番の良さは過去のインシデント事例がすぐにわかることです。
どの業者がどのように直したかなど、紙書類を探さなくても、スマホ1つで確認することができるのは楽です。圧倒的にペーパーレスが進みます。
また、キーワードや設備種類でインシデント検索できるので、直ぐに該当の内容を見つけることができます。
今後の進め方として、
①修繕業者ともHoteKanを通じて連絡を取る
②清掃・フロントスタッフもHoteKanで入力
を考えています。
そうすれば、今よりも異常の発見にすぐに気づく事ができ、業者さんとの連絡も早くなり、修繕期間が圧倒的に短くなると想定しています。
実際にHoteKanをどのように使われていますか?
現在は、従来通りに清掃スタッフから連絡を受けた設備責任者がHoteKanにインシデントデータを入力し、
支配人、社長、建築士とHoteKan上でやり取りをしています。施設によっては、外部業者も参加してやり取りをしています。
設備責任者はスマホを使って報告・入力をし、支配人は主に事務所のPCもしくはスマホで確認しています。
今回インタビューさせて頂いた方
4つ目が「平面駐車場」です。
松山市内のビジネスホテルは平面駐車場を併設しているホテルは少なく、道後hakuroでは800坪の敷地内に43台の平面駐車場の他、徒歩1分の隣接地にも40台分を確保しており、お車やバイクでお越しのお客様に最適です。
そして、最後5つ目が「ただいまと帰ってこれるようなアットホームな雰囲気」です。
道後hakuroで一番重視しているのは、フロントスタッフの「笑顔」です。フロントでは笑顔を忘れないように、またお客様と話す機会や回数をできるかぎり増やせるように伝えています。カジュアル、フレンドリーなお客様との関係性を重視しています。その効果か、おかげさまでリピート頂けるお客様も増えてきております。
クチコミも楽天トラベルで「4.68」、じゃらんで「4.7」の高評価をいただいております。
(写真左)道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
道後hakuro 取締役支配人 宮野 弘 様
(写真左から)愛媛県庁 金子様・髙岡様、CHIASMA FACTORY 辻様、宝荘・椿館グループ 宮﨑会長、FRINGE 苅谷・山田
(写真左)ホテル椿館 設備責任者 中村 正和 様